洋梨とバックロールエントリー

敏宮凌一(旧ペンネーム・敏宮龍一)によるブログ。

これをメイ曲と呼んではいけないのだろうか?→No.109なんか考えさせられる曲・その1

これは、私が過去にやっていたブログで適当にやっていた、私の「iTunes」の中に入っている曲の中で何回もリピートしてしまうものを紹介していた書き込みコーナーに、私が過去に好きだった曲や「なぜカバーする人がいない!」と心の中で日夜嘆く曲などを盛り込んで書いていくコーナーとして復活させてみたものです(^_^;

第109回は「死んだ女の子」という歌です。この曲は2020年現在、元ちとせさんの企画盤『平和元年』や高石友也さんによるカバーが聴けます。

 これは、 トルコの詩人ナーズム・ヒクメット氏が、1956年に発表した、広島への原子爆弾投下によって死亡した7歳の少女を題材とした詩を歌にしたもので、1970年代には世界中で翻訳・アレンジされて歌われるようになりました。
そのため、*1海外には複数の「死んだ女の子」が存在するらしいです・・・。

今回は、日本のカバーについてだけ書いていこうと思います。
1950年代に、木下航二氏が曲をつけたバージョン(1番目の動画を参照。)が歌声喫茶や一部の若者の間で歌われ、
1967年にロシア文学者の中本信幸氏が翻訳し、NHK交響楽団正指揮者の外山雄三氏が曲をつけたもの*2を、高石友也さんを含むフォーク歌手によって歌われました(2番目の動画を参照。)。
2006年になって、この高石さんらによるものをもとに、坂本龍一教授がプロデュースし、元ちとせさんが歌ったもの(3番目の動画を参照。)が期間限定で有料配信されました。後日、収益はユニセフに送られたそうです。なおこの曲は、2015年に発表された元ちとせさんの企画盤『平和元年』でも聴けます。allabout.co.jp

ちなみに、元ちとせさんによる「死んだ女の子」だけは、2005年に発表以降、元ちとせさんの要望で、毎年8月にだけネットでの有料配信が解禁(サブスクは対象外。)されます。収益の一部はユニセフに毎年送られています。
もちろん、今年もやっています。

www.cdjournal.com

死んだ女の子

死んだ女の子

  • 発売日: 2020/08/01
  • メディア: MP3 ダウンロード
 

当初、詩の内容が精神的に堪えるこの曲のことを取り上げるつもりはありませんでした。
しかし、今年は戦後75年であるということと、この数年、日本中の戦争資料館の閉館ラッシュや日本軍人の慰霊碑撤去の急増、日本軍人の遺品や戦争に関する物が、国内外のネットオークションやフリマサイトで、サバゲーやコスプレの小道具として売買・利用されていることが問題になっているのを取り上げたテレビ番組を観て、なんだか不安になってきたので、この歌を取り上げることにしました。

www.nhk.or.jp

www.mhlw.go.jp


「原爆の図」美術館に運営危機 全国から寄付で再開(20/08/06)

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木下航二氏が曲をつけたバージョンの「死んだ女の子」
死んだ女の子 昭和30年代に歌声喫茶では当時よく唄われていました。

 外山雄三氏が曲つけたバージョンの「死んだ女の子」・その1
高石友也 死んだ女の子

 外山雄三氏が曲つけたバージョンの「死んだ女の子」・その2
KIZ ÇOCUĞU 死んだ女の子

 

平和元年

平和元年

  • アーティスト:元ちとせ
  • 発売日: 2015/07/22
  • メディア: CD
 
死んだ女の子

死んだ女の子

  • 発売日: 2013/03/06
  • メディア: MP3 ダウンロード
 

*1:例えば、「I Come and Stand at Every Door」など。

*2:1967年9月発売のアルバム『想い出の赤いヤッケ 高石友也フォーク・アルバム』に収録。

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