洋梨とバックロールエントリー

敏宮凌一(旧ペンネーム・敏宮龍一)によるブログ。

坂本龍一教授の(2022年)最後のコンサートを観て・・・


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どうも。
今月11日と12日の早朝に配信された坂本龍一教授のコンサート『Ryuichi Sakamoto: Playing the Piano 2022』を自宅のパソコンで拝見しました。
今回のコンサートは、坂本教授が「日本で一番いいスタジオ」と自負している、NHK放送センターの509スタジオで2022年9月某日に収録したものを編集して、ネットで配信するというものでした。

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私は、11日の正午の配信と12日の午前6時の最終配信を観ました。
私の人生の中で、同じコンサートを2回も観たのは初めてです(^_^;
11日の正午はイヤホンで聞きながら視聴。
パソコンにイヤホンを刺して聴いていたせいもあるのか、坂本教授の演奏中の息遣いのようなものが聞こえました。
最終配信は、部屋の中でパソコンのスピーカー(音量大き目)で聴きながら見てました。

ここでは、今回のコンサートで演奏された曲の中で、私が個人的にグッと来たものをピックアップしてみました。
なお、今回演奏された曲のくわしい解説はコチラをご覧ください。
special.musicslash.jp

6曲目の「Aubade 2020」。
これは、2020年4月に行われたオンラインコンサートで初披露された、三ツ矢サイダーのCMのために書き下ろした「Aubade」という曲の改訂版を、今回のために再アレンジしたものです。
今回のアレンジは、サイダーや緑茶よりもおいしい水が飲みたくなります。

co062c54.hateblo.jp

6曲目の「Aqua」。
これは、1998年にリリースされたアルバム『BTTB』に収録されている曲であり、2000年代以降の『Ryuichi Sakamoto: Playing the Piano』を含む坂本教授のコンサートでよく演奏されていた曲です。
今回のものは、アルバムやこれまでのコンサートのよりも、ゆったりとしたテンポでした。

7曲目の「Tong Poo」。
YMOのファーストアルバム『イエローマジックオーケストラ』や、1998年発売&2018年再販のアルバム『BTTB』に収録されている曲なので、知らない人はいない(はず!)曲で、若かりし頃の坂本教授が生み出した曲の1つです。
私からすると、これまでに披露された「Tong Poo」のアレンジが「薫風」や「青嵐」だとすると、今回のアレンジは「和風」のように感じました。
この曲は私の大好物の1つなので、勝手に*1私へのひと月早いバースデープレゼントとさせていただきます(˃ᴗ˂)

8曲目の「The Wuthering Heights」。
これは、1992年のイギリス・アメリカ映画『嵐が丘』のテーマ曲です。
残念ながら、私はこの映画を観たことがありません。曲しか知らないです。
ですが、今回のものは過去にサントラCDで聴いたものよりもキレてました・・・。

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9曲目の「20220302 - sarabande」。
この曲は、来月に発売される坂本教授のオリジナルアルバム『12』に収録されている曲で、2022年3月2日に録音した曲の1つを今回のコンサート向けにアレンジされたものです。
なぜオリジナルアルバムのことを出したのかというと、実は演奏終了後に流れた坂本教授の映像終了後に、コンサートの演出(視聴者サービスとも言える(^_^;)の1つとして、このアルバムの収録曲がフルバージョンで披露されたからです!
まだアルバム発売前なので「実に面白いアルバム」としか、今は言えませんけどね・・・(^_^;

shop.mu-mo.netちなみに曲名の中にある「sarabande」というのは、フランス語で「舞曲」を表す言葉です。

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10曲目の「The Sheltering Sky」。
1990年のイギリス映画『シェルタリング・スカイ』のテーマ曲であり、坂本教授好きの人からしたら、ベタな曲の1つです。
・・・が、私は残念ながら、これも映画自体を観たことがありませんし、曲しか知りません。ですが、いつもよりも切なさがアップしてました(;_;)

どうでもいいことになりますが、この曲での高音の鍵盤を激しく鳴らす部分(詳しくは、この動画の3:36から3:40の辺りを参照。)で、坂本教授が痛みに耐えているような表情(私は初めて見ました。)をされてました・・・。

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12曲目の「Merry Christmas Mr. Lawrence」。
いわゆる「戦メリ」です。これもベタな曲の1つです。
安心してください!この曲の映画は何度も観ましたし、2021年の最終上映も観ました!(^_^;
ですが、国内外にこの曲の支持者が多いので、私はあえてこの曲を大きく取り上げないようにしています。
だって、支持者からの攻撃、怖いもの・・・*2
今回のものは、坂本教授演奏の「戦メリ」史上、ものすごく遅かったように感じました。そのせいもあってか、いつもより曲の重厚感が増していました。
どういう感じなのかは、コンサート配信終了後に解禁された『Ryuichi Sakamoto: Playing the Piano 2022』バージョンの「戦メリ」動画でご確認ください。
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今回の坂本教授のコンサートでの演奏は、私がこれまでに視聴してきた中で、最も遅くて、最も気迫があったような気がします。
演奏を聴いている間、2021年に引退された声優のキートン山田さんの「人生の後片づけを元気なうちにしようと思った。(中略)一生やるのも素晴らしいけど、自分の生き方をしたいというのがあった。」という発言が私の脳裏をよぎったり、今回の演奏の凄さに「坂本教授、今回で本当にコンサート卒業してもいいんじゃね?」と思ったりもしなはら観てました。
これは私の勝手な思い込みになりますが、何か覚悟を決めた人の行動には、時に鋭利な中に凄みを感じるものがあります。
news.line.meスタジオでの演奏終了後に流れた坂本教授の映像の中で、「今回のコンサートはソロピアノなので、(今回のコンサートで)演奏する曲のアレンジも、選曲も慎重に行いました」と言っていました。
4ch.site
今回のコンサートを総括すると、各曲の演奏の中に、坂本教授の「残された時間を全うしてやる」という覚悟の現れが垣間見えたコンサートでした。

坂本龍一教授。
心身的に大変な中、本当にありがとうございました。

2022年の坂本教授

painted by Ryoichi SATOMIYA

*1:私の誕生日は1月11日です。

*2:>_<

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