洋梨とバックロールエントリー

敏宮凌一(旧ペンネーム・敏宮龍一)によるブログ。

これをメイ曲と呼んではいけないのだろうか?→No.226「戦メリ」よりはコッチかも・その25

これは、私が過去にやっていたブログで適当にやっていた、私の「iTunes」の中に入っている曲の中で何回もリピートしてしまうものを紹介していた書き込みコーナーに、私が過去に好きだった曲や「なぜカバーする人がいない!」と心の中で日夜嘆く曲などを書いていくコーナーとして復活してみたものです(^_^;co062c54.hateblo.jp

本日(1月17日)は、坂本龍一教授の誕生日です。www.barks.jpそこで第226回は、坂本龍一教授の「Tong poo(東風)」です。
この曲は現在、1978年から2004年と2021年と2022年に(一部を除いて、)レコード・CD化されたことがあるものだけは音楽配信で聞けます。

「Tong poo」と言えば、前回このような曲を取り上げましたね。co062c54.hateblo.jp
私が、YMOと坂本教授ファンになったキッカケはこの曲でした。
母の影響で、石原裕次郎美空ひばり漬けだった私の人生の中で、こんなにも洗練されていてカッコいい曲は聴いたことが無かったので、つい聞き惚れてしまいました・・・(^_^;

この曲は1978年に坂本教授が書いた曲の1つであり、*1Merry Christmas, Mr. Lawrence」の次に有名な曲です。
この曲は、1978年当時の坂本教授が*2北京交響楽団毛沢東の詩に曲をのせたレコードを購入し、その中に*3気に入った曲があって、それを参考にして作られたそうです。
曲名は、ジャン=リュック・ゴダール監督の映画『東風』から採られたと言われていますが、当時YMOのメンバーの行き付けだった中華料理店の店名からつけられたとも言われています。ja.wikipedia.orgちなみに、2022年12月にオンラインで配信された坂本教授のピアノコンサートの中で、この曲の最新バージョンが演奏されました。
spice.eplus.jp
「私からすると、これまでに披露された「Tong Poo」のアレンジが“薫風”や“青嵐”だとすると、今回のアレンジは“和風”のように感じた」なんてことを下のところでほざいてましたね・・(*ノωノ)co062c54.hateblo.jp

ネットでは、この曲が世に出るキッカケとなったのは1978年に発売されたYMOのデビューアルバム『イエロー・マジック・オーケストラ』だと言われていますが・・・
実のところは、1978年に*4紀伊国屋ホールで開催された『ALFA RECORD/KYODO TOKYO PRESENT FUSION FESTIVAL'78』というライブが先だと言われています。このライブで坂本教授は、「細野晴臣&イエロー・マジック(その後、「イエロー・マジック・オーケストラ」「YMO」に改名。)」のメンバーとして世に出ました。
その後、改めて演奏された「Tong poo」は、アルバム『イエロー・マジック・オーケストラ』に収録され、今に至ります。

1978年の東京・新宿で催された、イエロー・マジック・オーケストラの事実上のデビューライブでの「Tong poo」。
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YMOが在籍していた*5レコード会社による「Tong poo」のPV。
1980年代前半のアーケードゲーム総出演(^_^)

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ちなみに、ファーストアルバムの「Tong poo」は一度曲のタイトルが変わったことがあります。
1978年のファーストアルバム『イエロー・マジック・オーケストラ』リリース後に決まった、YMOアメリカ進出プロジェクトの一環として国内外で販売された*6海外進出アルバム『イエロー・マジック・オーケストラ』で、この曲は「Yellow Magic(Tong poo)」と表記されていましたが、いつの間にか「Tong poo(東風)」戻りました・・・。

1979年に行われたYMOの海外ツアーの記録動画から。
フランス・パリで披露された「Tong poo」。

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現在でも入手可能なYMOのライブ盤『パブリック・プレッシャー』に収録されている方の「Tong poo」。

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現在も、ネット上でボカロなどにカバーされている、歌詞付きバージョンの「Tong poo」。1980年10月にリリースされた矢野顕子さんのアルバム『ごはんができたよ』に収録されていて、歌詞は矢野さんによるものです。
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1980年に、アメリカ・ロサンゼルスのあるスタジオで披露された「Tong poo」。
このバージョンは当時のYMOマニアの好物の1つで、1990年代に発売されたYMOのビジュアルブック『ピリオド』の特典CDだけで聴けました。

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最近、この動画を発掘した時に、なぜこのバージョンがレコード会社で商品化されないのかが分かりました。
三宅一生氏のコレクション発表会のBGMだったんですね。しかも生演奏・・・。


(ブログ側の都合で、1983年の“散開”ライブの記録が貼れなくなったため、)1984年のYMO主演の映画『Y.M.O. PROPAGANDA』での“散開”ライブ再現シーンの「Tong poo」。ちなみに、音声だけは1983年の“散開”ライブのものです!

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1990年に開催された、坂本教授の中野サンプラザ公演での「Tong poo」。

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坂本教授と富家 哲氏による「Tong poo」の連弾。1991年から1992年のものです。
画質が悪いために分かりにくいですが、黒とベージュっぽい服を着た人物が坂本教授です。

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1993年のYMO“再生”ライブでの「Tong poo」。
ちなみに、(あなたから見て)左側にいる人物が坂本教授です。

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2000年代前半のテレビの音楽番組で披露された「Tong poo」。
自動演奏MIDIピアノを使ったもので、低音のパートはMIDIデータ(事前に坂本教授の手で演奏・記録したもの。)による自動演奏、高音のパートを坂本教授が弾いています。ちなみにこの動画のアレンジに近いものは、現在のところ、アルバム『BTTB』と音楽配信で聴けます。

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私の記憶では、ピアノバージョンの「Tong poo」は坂本教授が参加していたイベントでの即興や坂本教授のライブでしか聴いたことがありません。
テレビで「Tong poo」はあまり披露されていなかったと思います。

2005年開催の『ロッキン・オン・ジャパン・フェスティバル』での「Tong poo」。
ちなみに、ピンクのTシャツを着てピアノを弾いている人が坂本教授です(^_^)

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2006年に発売された、セニョール・ココナッツによる「Tong poo」。
ちなみに、この曲には坂本教授がゲスト参加しています。

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2012年の『WORLD HAPPINESS』での、YMOによる「Tong poo」。
後日、「これ(2012年の『WORLD HAPPINESS』)を以て、YMOは『WORLD HAPPINESS』に出演しない」と発表しました。
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2021年に発表された、ジュンヤワタナベ氏の2022年コレクションの模様。
この中のBGMで、坂本教授による2021年バージョンの「Tong poo」が披露されました。
この「Tong Poo」は、ジュンヤワタナベ氏から「(コレクション発表会のBGMで使いたいから、)“Tong Poo”を今の時代に合うように編曲し直して」という依頼を受けた坂本教授が作ったものです。

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この曲は、現在「TONG POO for JUNYA WATANABE」というタイトルで、レコード化・音楽配信されています。

オマケ
前回取り上げたOriental Magnetic Yellow(OMY)の隠れた傑作の1つ「Shang Poo(シャン・プー)」。タイトルを観てお気づきかもしれませんが、「Tong poo」をリスペクトして作られた曲です・・・(^_^;
ちなみに、この曲は配信されていません。

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今では貴重なライブバージョンの「Shang Poo」です。

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OMYを再評価するみの氏の動画。
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*1:「戦メリ」の正しい曲名。

*2:北京交響楽団に関する情報不明・・・。

*3:曲に関する情報不明・・・。

*4:新宿駅東口にある紀伊国屋書店本店の中にあるホールの名前。ちなみに、新宿駅南口にあるのは「紀伊国屋サザンシアター」。

*5:現在は、アルファレコードの楽曲と映像の版権管理会社に変わっている。

*6:後の『イエロー・マジック・オーケストラ(US版)』のこと。

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