洋梨とバックロールエントリー

敏宮凌一(旧ペンネーム・敏宮龍一)によるブログ。

これをメイ曲と呼んではいけないのだろうか?→No.233「戦メリ」よりはコッチかも特別編

これは、私が過去にやっていたブログで適当にやっていた、私の「iTunes」の中に入っている曲の中で何回もリピートしてしまうものを紹介していた書き込みコーナーに、私が過去に好きだった曲や「なぜカバーする人がいない!」と心の中で日夜嘆く曲などを書いていくコーナーとして復活してみたものです(^_^;co062c54.hateblo.jpco062c54.hateblo.jp

またしても、特別編です・・・(^_^;
細野さんのツイッター上に公開されている、坂本教授に関するつぶやきを拝見しましたが、坂本教授の終活は上手くいったんだなと勝手に解釈し、やっぱり「終活」や「死に支度」って大事だなと思いました。明日は我が身ですからね。絶対、引き取り拒否されると思う。私・・・(-_-|;|

細野さんのツイッター上にある、坂本教授に関するつぶやき
坂本くんは数年かけて準備をし永眠しました。御本人も御家族も後悔なく、静かに旅立ったと聞きました。それを知ってから、僕も安らげています。
realsound.jp*1私の亡き父の場合は、東京都内の新築タワーマンション2棟買えるほどの借金を、母と私と父方の親戚たちに遺して旅立ちましたからね。
1か月くらい、私たち遺族と親戚たちで、導火線に火のついた爆弾のキャッチボールをしているかのような気分でした・・・(-o-|;|

・・・話を変えます(^_^;
ここから先は、坂本龍一教授が存命だった頃の気分でお送りします!

ここから先の内容は、坂本龍一教授が存命だった2022年当時に書いたものです。
当時の雰囲気を消さないために、そのままで掲載します。

今回は少し趣向を変えて、坂本龍一教授の1986年発売のアルバム『未来派野郎』からのセレクションです。
ここで紹介している曲のオリジナルは、今のところ1991年に再販されたCDだけで聴けます。なお大人の事情で、このアルバムの曲は配信されていません・・・。

ja.wikipedia.orgこのアルバムは1986年に発売されたもので、翌年の1987年には、1986年に開催された坂本教授初の日本縦断ツアーライブ音声のアルバム*2『メディア・バーン・ライブ(1991年に再販。)』も発売されました。

Variety Show
近年の坂本教授では演奏不可能そうなアレンジと特徴的なイントロの曲です・・・(^_^;
この曲は、坂本教授が当時収集していたサンプリング音(機械音、放電の音、兵器の音、マリネッテイ氏のピアノ曲など。)で組み立てられた曲とヒップホップのビートに、1980年代当時に残されていたフィリッポ・トンマーゾ・マリネッティ氏の演説の音声を入れてラップぽくしたものの中に、「Futurista(未来派)」と叫ぶ音声をサンプリングしたもので構成されています。
曲名は、マリネッティ氏自身が、自分の演説会のことを「ヴァラエティ・ショウ(Variety Show)」と呼んでいたことから付けられています。
2000年代までの日本では、この曲で踊るダンサーやパントマイマーがいたそうです。

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G.T.
これも、近年の坂本教授では演奏不可能そうです・・・(^_^;
この曲のタイトルのアルファベットのようなものは「Gran Turismo」というイタリア車のジャンルの略称です。
オリジナルのものは、現代ではコンプライアンス的に何か言われそうな暴走自動車の走行音と衝突音から曲が始まりますが、個人的に1980年代ならではの傑作アレンジではないかと思います。
矢野顕子さんが書いた日本語の歌詞を、ピーター・バラカンさんが英訳したものが使われています。
この曲は、このアルバムのほかに、ライブ盤『メディア・バーン・ライブ』と1993年に発売された坂本教授のベストアルバム『グルッポ・ムジカーレ II』でも聴けます。
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今のところ、1993年に発売された坂本教授のベストアルバム『グルッポ・ムジカーレ II』だけで聴ける「G.T.」の別アレンジ、「G.T. II(ツー)」。

Ryuichi Sakamoto - G.T. II°

今では貴重な、1980年代の東京都で開催された坂本教授のライブから。
画質が悪いので分かりにくいですが、赤色のスーツの人物が、映画『ラストエンペラー』に関わる前の坂本教授です。

Ryuichi Sakamoto - G.T. (Live 1987)
2020年に発表された、あるネット上の猛者によるこの曲のカバー。
なんか、メカニック感むき出しなアレンジです。
でも、嫌いではないです・・・(^_^)
G.T. (RYUICHI SAKAMOTO) COVER BY QUAG-B

Ballet Mecanique
この曲は、坂本教授の曲では数少ない歌モノであり、大人気曲の1つです。
坂本教授が岡田有希子さんに提供した*3「WONDER TRIP LOVER」という曲の歌詞や曲名などを変えて作ったセルフカバーです。
ちなみに岡田有希子さんとは、1980年代の日本の伝説のアイドル歌手の一人です。
この頃には「くちびるNetwork坂本教授が岡田さんに提供した曲の1つ。)」という、後の岡田さんの代表曲をリリースされますが、この曲のシングルのリリース後に岡田さんは急逝されました。

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話を戻します。
曲のタイトルはイタリア語ですが、歌詞は英語と日本語という和洋折衷になっている作品です。この曲の歌詞を書いたのは矢野顕子さんです。
「ぼくにははじめとおわりがあるんだ こおしてながいあいだそらをみている・・・」という日本語歌詞と*4曲中のギターソロが特徴的でした。
なおオリジナルのほうで英語詞パートを歌っているのはバーナード・ファウラーさんで、日本語詞パートは坂本教授が歌っています・・・(^_^;
この曲は、現在もネットやSNSでカバーする人が数多くいますが、現在発売中の坂本教授の数量限定コンピレーションレコード盤『GREAT TRACKS』でも聴けます。

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note.com2014年に、坂本教授の編曲・指揮によって披露された、オーケストラバージョンの「Ballet Mecanique」。
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ちなみにこの曲は、1999年にも別タイトル&歌詞でカバーされたことがあります。
それは、中谷美紀さんの「クロニック・ラヴ」です。
この曲は、坂本教授が(歌手としての)中谷さんのプロデュースをしていた頃に発表された曲の1つで、歌詞は中谷さんが書いたものです。
中谷さんがメインキャラクターを演じた、1999年の人気テレビドラマ『ケイゾク』の主題歌でした。

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大航海
この曲は、ヒップホップのビートと複雑な転調を何度も繰り返す曲の上に、かの香織さんの歌声を乗せたものです。
ちなみにこの曲の歌詞は、かのさんが書いた日本語の歌詞をイタリア語訳したものです。ちなみに、この曲の仮タイトルは「機械状無意識」でした。
映画『月世界旅行』のような世界と夢とロマンを、坂本教授が当時の細野晴臣さんが傾倒していたという*5「OTT」で表現したものだと言われています。

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黄土高原
この曲の読み方は、作曲者の坂本教授曰く「こうどこうげん」とのことです。
この曲は、坂本教授の作品では数少ない、オーソドックスなコード進行を持つ楽曲の1つで、これまでのテクノミュージックっぽさの無い、フュージョン的なテイストが出ているのが特徴です。
エレクトリックピアノの演奏部分は、坂本教授が手で演奏したものを、一度音楽制作ソフト(今っぽく言えば「音楽制作アプリ」?)に取り込んでから、細かく編集などして、形作られたもの。
曲中に流れている、「パッヘルベルのカノン」をモチーフとしたというコーラスは、*6吉田美奈子さんの歌声を多重録音したものが使われています。
この曲は、現在発売中の坂本教授の数量限定コンピレーションレコード盤『GREAT TRACKS』でも聴けます。

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ちなみに「黄土高原」は、この曲のレコーディング中にたまたま遊びに来ていた飯島真理さんが気に入って、1986年に「遥かな微笑み」という、「黄土高原」の曲に独自の歌詞を付けたものがリリースされています。
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Parolibre
読み方は*7「パロリブル」。
直訳すると「話し文学」という意味のイタリア語だが、この曲のタイトルの語源は*8「1910年代の未来派の自由詩」と言う意味の方のイタリア語です。
当時の坂本教授曰く、「プッチーニのオペラの中の間奏曲のようなつもりで書いている」そうです。
このアルバムに収録されているもののアレンジは、当時の坂本教授によると「フィリップ・K・ディックの近未来SFの世界の世界で、2056年ぐらいの遠い惑星に住み、ブロードキャスティングで地球から送られてくる放送を惑星のスペース・カプセルの中で聴いているようなイメージで作った」そうです。
この曲は、現在もネットやSNSでカバーする人が数多くいて、坂本教授も2010年代にセルフカバーしています。
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2012年に発売されたアルバム『THEREE』収録の「Parolibre」。
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*1:父の葬儀終了後に、行政に顔が利く母の妹と、弁護士さんと、父の口座があった某都市銀行のみなさんのご助力で、母と私と父方の親戚たちは父の借金の返済しないで済みました・・・(-_-;

*2:未来派野郎』収録曲や、坂本教授の1970年代後半から1980年代前半に発表された楽曲が出てきます。

*3:岡田さんの1986年のアルバム『ヴィーナス誕生』に収録されている、坂本教授の提供曲の1つ。

*4:鈴木賢司氏による、ギターのソロプレイを切り貼りしたもの。当時の坂本教授が、鈴木氏に「熱暴走を起こしてメーターが振り切ってる感じで、火がついたように、タガが外れた感じで弾きまくっちゃっていいから」と、演奏の仕方を注文したそうです。

*5:くわしくは『フレンズ・オブ・アース』を参照。

*6:最近、不動産のテレビCMでも流れている「夢で逢えたら」などの歌で有名な女性歌手。

*7:ネイティブのイタリア人の発音では「パロウリブル」。

*8:一説には、未来派に関わったアーティストによる造語らしい。

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