洋梨とバックロールエントリー

敏宮凌一(旧ペンネーム・敏宮龍一)によるブログ。

『ある山下テツローの場合』→第7.5話

第7.5話:束の間の現実逃避、火消しに追われた日、ギョーザ・ブルース?・・・の補足

 ここでは、彼に行った取材記録の中から、2008年2月22日の内容にも関係していそうな箇所を抜粋して、若干の自主規制を施して公開しようと思う。

2008年のある日の彼

©2021 Ryoichi Satomiya

2008年10月のある取材より。

敏宮「朝に必ず食べる物って、ありますか?」
彼「毎日というわけではないですが、僕が日勤の日はパートナーと一緒にパンとジャムです。食パンな時もあれば、菓子パンな時もありますし・・・。」
敏宮「パンとジャムとママレードはどこで買うんですか?」
彼「パンはスーパーか駅ビルで買いますが、ジャムとママレードは自家製です。」
敏宮「(ジャムとママレードは、)○○(彼の本名)さんが作ってるんですか?」
彼「いや、○○(彼のパートナー)です。」
敏宮「○○(彼のパートナー)さんって、料理出来るんですか?」
彼「ジャムとママレードと、簡単な酒のつまみだけは作れますね。つまみの味は家庭的ですけど・・・。家庭の味を知らない人なのにね(笑)。」
敏宮「○○(彼のパートナー)さんは、いつ頃からジャムを作り出したんですか?」
彼「○○(彼のパートナー)が、僕と暮らし出して半年くらい経った頃かな・・・。冷蔵庫の中に知らないジャムビンのような物が増え出したので○○(彼のパートナー)に尋ねたら、○○(彼のパートナー)が作った物だという事を知りました。“迷惑ならやめる”と言っていましたが、無理にやめなくていいって言って・・・今に至ります(笑)。」
敏宮「えーっと、じゃあ(19)90年代頃からですか?」
彼「いや、(19)80年代の後半かな。○○(彼のパートナー)が、ジャムとママレードの作り方はテレビの料理番組で知ったそうなんです。」
敏宮「テレビを観ただけで作れるとは、器用な方なんですね。」
彼「僕は不器用な方なので羨ましいです(苦笑)。あの人、僕と暮らすまでは、現実逃避目的でスーパーとかのおつとめ品の果物を適当に買ってきては、ジャムやママレードを作っていたそうなんです。」
敏宮「現実逃避でジャム作り?」
彼「○○(彼のパートナー)が働いている業界は、僕がいた葬祭業界よりも公に出来ない事が多いところので、色々と溜めこんでいると思いますよ。」
敏宮「そもそも、ジャム作り自体が大変じゃないんですか?」
彼「それと比べれば、○○にとってジャムを作ることは、苦とも思っていないんじゃないかな。」
敏宮「“それ”というのは、○○(彼のパートナー)さんのお仕事の事ですよね?」
彼「・・・そうですね。」

(中略)

彼「○○(彼のパートナー)が作るジャムとママレードは不味くはないんです。不味くはないんですけど、毎回何が入っているのかよく分からないのも多いです(苦笑)。」
敏宮「(笑)」
彼「それに、市販のものみたいに、歯に沁みるような独特の甘みが無くて、毎回甘さ控えめかビタースイートですね。」
敏宮「○○(彼の本名)さんは、本当のところ、ジャムとママレードは甘い方とビタースイートとどちらの方が好きですか?」
彼「・・・甘い方。甘味に飢えていた時代の人間ですから(笑)まあ健康的でいいですけどね・・・。」

→今度こそ、第8話へつづく・・・。

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