第20話:この支配からの卒業が決まった、ゼリーと放射線の日々
※彼の遺品のUSBフラッシュメモリ内「2008」フォルダから「200807」より。ブログ掲載の都合上、多少の自主規制あり。
07/01/08(2008年7月1日)
今日は日勤。朝から曇っている。
パートナーと朝食をとる。
午前9時過ぎ。
デスクワーク中に「ネットで会社のページを見て電話した」という若い女性から、携帯電話で葬儀費用の相談の電話を受ける。
3分くらい相談を受けた後に「検討させていただきます。」と電話終了。これ以降、この女性からの電話は来なかった。どうも要望には合わなかったようだ・・・。
このところ、激安で葬儀を引き受けるという異業種や10万円から葬儀を受けるという同業者が増えているせいもあるのか、こちらの見積もりを言った途端に「検討させていただきます。」と言って、多くの相談者は*1尻尾を巻いて逃げてしまう・・・。社内のどこかで「近々葬祭だけではダメになるかもしれないから、*2遺体搬送の経験を使って*3民間救急事業をやろうとか、お偉方が言っているらしい」という噂話を耳にしたことがある。
07/02/08(2008年7月2日)
今日は休み。朝から曇っているが暑い・・・。
パートナーと朝食をとる。
9時過ぎに、通院治療で病院へ行く。
一通りの治療と検査が済むと、看護師に連れられて面談室に行く。
面談室に入ると、そこには僕の担当医と*4「放射線腫瘍医」という聞き慣れない肩書きの人がいた。
僕の入院中の検査結果といまの僕のいまの身体の都合で、抗がん剤治療と外科手術は断念。しばらくは飲み薬と、すい臓・骨などの臓器に転移している癌に対しての*5放射線治療もやって行こうということになった。
面談が終わって部屋から出ようとしたら、看護師からスキンケア用化粧品の試供品をもらった。看護師が言うには、癌の治療をしていると、ひどい肌荒れや爪の変色が起こるようになるから、治療のほかにスキンケアもした方がいいと言われた。
07/03/08(2008年7月3日)
今日は日勤。朝から雨が降っている。
パートナーと朝食をとる。
昼休み中。
携帯電話に*6Nさんから数ヶ月ぶりに電話が来る。その電話で、僕が若い時に担当していた(東京都)武蔵野市のお客様の一人が、去年の夏に亡くなっていたことを知る。僕がそのことを聴いているものだと思っていたとNさんが言う・・・。
Nさんの話によると、去年の夏にその人の娘さんとお孫さんの*7新盆の支度をしている最中に起こった火災に巻き込まれて亡くなったという・・・。
僕はNさんにお線香を上げに行ったほうが良いかと訊いたが、「早いうちに行った方がいいと思うけど、○○さんの娘さんと結婚していた人は、今“アタミ”にいるよ」と言われた。僕は「“アマミ(鹿児島県・奄美大島)”ですか?遠いですねぇ」と言う。すると、Nさんは「“アマミ”じゃない。アーターミ!」だと言われた。「“アタミ(静岡県熱海市)”ですか?!」と聞き返したのと同時に、顔から火が出そうになった。だが、今の僕が行くには“アマミ”も“アタミ”も、遠すぎる・・・。
悩んだ末、Nさんから聞いていたお客様の情報をもとに、帰宅の途中にある*8郵便局へ寄って、線香の詰め合わせを買って、お客様の関係者宛てに送ることにした。
07/04/08(2008年7月4日)
今日は日勤。朝から*9ピーカンで、すごく暑い・・・。
パートナーと朝食をとる。
夜。
僕に*10処方された飲み薬のことを家のネットで調べてみた。血糖値を下げる薬と癌の進行を遅らせる薬と骨を強くするための薬と栄養剤もあったが、痛み止めの薬の割合が多かった・・・。
07/05/08(2008年7月5日)
今日は日勤。朝から曇っているが、すごく暑い・・・。
今日が休みのパートナーと朝食をとる。
この日は、デスクワークで一日が終わった・・・。
07/06/08(2008年7月6日)
今日は日勤。今日も朝から曇っているが、暑い・・・。
今日が休みのパートナーと朝食をとる。
この日は、立川市にある自社ホールの1つで催される、72歳の女性の通夜会場設営の指示出しと手伝い。
帰り道。
会社の近くにあるコンビニや街中で、笹飾りや七夕飾りや短冊が飾ってあるのを見かけた。
07/07/08(2008年7月7日)
この日は日勤。今日は七夕だが、朝から雨が降っている。僕の人生の中で、七夕の夜に肉眼で天の川を観た記憶がない。あったとしても、遠い昔過ぎて思い出せない・・・。
この日は、立川市にある自社ホールの1つで催される、72歳の女性の告別式会場設営の手伝いと司会がある。
出勤早々、上司から辞令の書類を渡された。内容は、今月31日付けで退職になるというものだった。どうも会社は、すい臓癌を患っている奴にはこの業界で働き続けるのは無理だと判断したようだ・・・。
この辞令には、僕の退職のほかに、上司が推薦する僕の業務を引き継ぐ社員への指導、2級葬祭ディレクター取得者への1級技能試験対策の補助もやるようにと命じられた。いつもより人使いが荒い・・・。最後くらい、マイペースで働かせてほしかったな。
こうして、この会社からの卒業が決まった。辞表を書くのは初めてだ・・・。
07/08/08(2008年7月8日)
この日は休み。朝から蒸し暑い。
僕の体の中の“死への加速装置”が起動していることを知ってから、20日くらい経ったと思う。
午前中。
1回目の放射線治療を受けに病院へ行った。
病院で、外来の患者たちと一緒に“省エネ空調”という苦行に耐えながら、放射線治療の順番を待つ。そういえば、ここに入院していた時は、病院の省エネ空調のせいでのぼせそうになって、就寝前の氷枕をリクエストするためにナースコールを押しまくったことが記憶に新しい・・・。
正午前になって僕の順番が来た。機械の上に寝て、絶対に動かないようにと言われた。この日の治療は30分くらいで終わった。なんか「治療を受けた」という実感が湧かない。
夜。
パートナーが、テレビで*11「くいだおれ」閉店のニュースを聴いて、落ち込んでいる。
07/09/08(2008年7月9日)
この日は日勤。朝から曇っていて、蒸し暑い。
パートナーと朝食をとる。
上司から、僕が夜勤でやっていた業務(葬儀の受付、自死の葬儀マニュアルと遺族との応対。)を引き継いでもらう正社員2名(※上司から「お坊さんみたいなスキンヘッドをしているから」という理由で選ばれたTくんと、どこかの破天荒キャラの人に似ているEくんという男性社員。年齢はどっちも30代。)を紹介された。
この日から仕事の傍ら、日勤では2級葬祭ディレクターを持っている社員たちの1級技能試験対策の手伝いと、日勤で手が空いている時と夜勤の日にはTくんとEくんの研修をすることになった・・・。
仕事が終わって、18時過ぎに病院へ行って、2回目の放射線治療を受けた。
07/10/08(2008年7月10日)
この日は休み。朝から晴れていて蒸し暑い。
パートナーと朝食をとる。
午前中。
病院で外来の患者たちと一緒に、地獄の*12クールビズ空調に耐えながら、放射線治療の順番を待つ。どうにか、3回目の放射線治療を受けた。
病院からの帰りに寄ったスーパーで、何か冷えた飲み物を探す。
入ってすぐの野菜売り場の一角に、*13芋殻と仏花と備え菓子がたくさん並んでいるのを観た。もうすぐ*14都内のお盆が迫っている事に気が付く。そういえば、僕が親元を離れてから、お盆の儀式みたいなことはやったことがない。両親の事はずっとアイツに押し付けている・・・。
07/11/08(2008年7月11日)
この日は日勤。今日も、朝から曇っていて蒸し暑い。
パートナーと朝食をとる。
午前中は、デスクワークと午後の勉強会で使う教材DVDを借りに資料室へ行く。
午後。
会議室の1つを使って、2級葬祭ディレクターを持っている社員たちの技能試験対策の勉強会。
約30分のビデオ教材を2本流すが、1級葬祭ディレクター試験についての説明ビデオと、葬儀社向けの*15エンバーについての説明とエンバー済みの亡くなった人(遺体)の取り扱い方という内容だった。だが、この時の僕はビデオを観ている振りをして軽く寝てた・・・。
ビデオが終わるのに気づいた僕は、急いで自分を覚醒させて、消灯していた灯りを点けに行く。灯りをつけて社員たちの前に立つと、社員たちに筆記具以外を片付けるように言って、抜き打ちテストと答え合わせをさせた。
退社時間前。
デスクワーク中のTくんとEくんに、夜勤のマニュアルと自死の葬儀マニュアルの内容を頭に叩き込んでおくようにと言う。
会社の帰りに、4回目の放射線治療を受ける。とりあえず、これで今週の放射線治療は終わった。
病院から家に帰ってきた途端、やたらと体がだるい。これが放射線治療の副作用という奴なのか・・・。事前に説明されていたとはいえ、想像していたよりつらい・・・。おまけに食欲も湧かないので、僕の容態を心配したパートナーが、慌てて部屋を出て行く。
しばらくして、パートナーはコンビニの袋を手にして帰ってきた。パートナーは、僕の目の前に*16ゼリータイプの栄養食を1つ置く。TVのコマーシャルやSFもののアニメではよく観たが、実物は初めて見た。不味くはないが、吸い込むのが大変だった・・・。
07/12/08(2008年7月12日)
この日は日勤。朝から曇っているが、テレビの天気予報はこれから(気温が)33℃になると言っていた。
今日が休みのパートナーと朝食をとるが、僕は昨日の放射線治療のせいもあって、少ししか食べられなかった・・・。
午後。
会議室の1つを使って、2級葬祭ディレクターを持っている社員たちの勉強会。
昨日、抜き打ちテストをやったせいか、この日会議室に集まった社員たちは気が張っているように見えた。
プロ司会者の方による葬儀の司会の映像集と「死後処理・エンジェルケア・遺族のケア」という約60分のビデオ教材を流す。
ビデオが終わると、社員たちに抜き打ちのテストと答え合わせをさせた。
07/13/08(2008年7月13日)
この日は休み。朝から曇っているが暑い・・・。
今日が休みのパートナーと朝食をとるが、僕は放射線治療のせいで少ししか食べられなかった・・・。
午後。
ゼリータイプの栄養食を飲みながら、TくんとEくんに出すためのテスト問題を作る。
07/14/08(2008年7月14日)
この日は夜勤。朝から晴れていて暑い・・・。
今日が休みのパートナーと朝食をとるが、僕はこのところの放射線治療のせいで少ししか食べられない・・・。
勤務中は、ゼリータイプの栄養食を飲んで、どうにか乗り切る。
夜勤中。
Tくんと夜勤初体験のEくんがいる。僕はEくんが睡魔に襲われそうになっていたのを目撃したが、TくんがEくんにアドバイスをしていた。
あまりにも電話が来なかったのと、Eくんが眠気に襲われていて危ないので、眠気覚ましとして、彼らに昨日家で作ってきた物を配って、マニュアルの内容を頭に叩き込んでいるか抜き打ちテストと出した。答え合わせもさせた。
結果は二人とも満点だったのだが、Eくんのほうは限界だったらしく、答え合わせ中に寝落ちしていた。僕はTくんに頼んで、Eくんを仮眠室へ運ぶように言った。
07/15/08(2008年7月15日)
この日は休み。朝から曇っているが暑い・・・。
パートナーと朝食をとるが、僕は放射線治療のせいで少ししか食べられなかった・・・。
気分転換を兼ねて、家の近くにある*17平日昼間しか開いてない公園に行って、ベンチの1つに座る。だが、視界には心身的に疲れている人が座っている姿しか入ってこない・・・。
しばらくしてから、(立川駅)北口へ行って、*18ユザワヤやビーズ専門店で*19スワロフスキーを覗いたり、途中にある軽食店でカキ氷を買って食べたりした。
07/16/08(2008年7月16日)
この日は日勤。朝から曇っているが、相変わらず外はすごく暑い・・・。
放射線治療の副作用で食欲不振が続いていて、パートナーと朝食をとれていない。
午前中は、「ネットで会社のページを見て電話した」や、立川市内から熱中症または熱中症がキッカケで起きた事故・病気で亡くなった人の葬儀の依頼の電話が複数あった。この時、オフィスの電話機の中に受話器が載っている物は無い。僕は、急遽今日は休みになっている人たちの電話呼び出す係にされた・・・。
2000年以降、夏になり気温が上がれば上がるほど、*20“下げ”が入るようになった気がする。これも地球温暖化の影響とかなのだろうか?
午後。
会議室の1つを使って、2級葬祭ディレクターを持っている社員たちの勉強会。
この日も、会議室に集まった社員たちは相変わらず気が張っているように見えた。
僕が休みの日に行われた勉強会では実技試験の*21幕張の練習と*22接遇の練習が行われていたというのをTくんから聞く。幕張は手先の器用さやメジャーの目盛りをちゃんと読めているのかが問われるし、接遇も個人差あるけど、心身的に堪えるし・・・。
この日僕が頼まれたのは*23司会の練習。今回は1級の試験に則って制限時間は6分。仏式の社葬の司会のやり方を身体で覚えてもらうというものだが、僕は司会自体が不得手なほうなので、司会中の所作・言動・態度に重点を置いて指導をした。
07/17/08(2008年7月17日)
この日は日勤。朝から曇っていて、すごく暑い・・・。
またパートナーと朝食をとれていない。頭で食べたいのに、身体がそれを拒み続けている・・・。
午前中。
ゼリータイプの栄養剤を飲みながら、デスクワークをする。
午後。
会議室の1つを使って、2級葬祭ディレクターを持っている社員たちの勉強会。
この日は筆記試験の傾向と対策の講義をするために、埼玉県から男性の1級葬祭ディレクターの人が来た。僕も聴講のために参加して、一番後ろの席にいた。この日会議室に集まった社員たちは、いつもよりも気が張っているように見えた。
この人の講義を聴きながら、この人が持参した、1級葬祭ディレクターの筆記試験の過去問題集や参考書を観ていると、葬祭ディレクターの筆記試験は今でも僕が受けた頃と同様に難しい事を知った・・・。
講義と社員たちからの質疑応答終了後。
今まで教鞭をふるっていた葬祭ディレクターが僕のところに歩み寄って来た。なんでも、彼は1996年に東京都で2級(葬祭ディレクター)の試験を受けた時に会った者だと言っていたのだが、全然思い出せない。僕の場合は、*24いきなり1級の試験だったから、試験勉強と実技試験の練習は物凄くキツかったのは覚えているけど・・・。
彼は僕に一枚の小さい写真を見せた。それは1996年頃の受験票の写真の余りだと言っていた。写真と比べて、恰幅が良すぎて頭髪も無くなっていたから、面影を探すことが大変だった・・・。
勉強会が終わってオフィスに戻ると、上司は僕やほかのオフィスの社員たちの事はそっちのけで、明日と明後日にあるスーパーマーケットチェーンの会長夫人の葬儀で*25山へ行くらしく、あの時のようにまた*26豪華な引き出物がもらえるのではないかと思ってはしゃいでいた(以前、あるスーパーマーケットチェーンの会長の葬儀に関わった際、遺族側が今どきの葬式ではありえないくらいの量の引き出物を配っていた事を覚えている。)。いいトシ(年齢)をした大人が見返りを期待するな・・・。
→つづく・・・。
参考資料
アズマ民間救急サービス「新型コロナウイルス搬送について」
https://minkyu.co.jp/transport
がんの放射線治療あんしんガイド
http://www.radiation-medicalcare.com/
遠隔読影・遠隔画像診断の比較・料金・本音まとめ「深刻な放射線科医不足」
https://uptodate.xn--o1qq22cjlllou16giuj.jp/%e3%81%82%e3%81%be%e3%82%8a%e3%81%ab%e8%b6%b3%e3%82%8a%e3%81%a6%e3%81%84%e3%81%aa%e3%81%84%e6%94%be%e5%b0%84%e7%b7%9a%e7%a7%91%e5%8c%bb
株式会社 加登「「新盆(初盆)」の時期はいつ? 読み方は? 盆棚(精霊棚)などどんな準備が必要?」
https://www.forever-kato.co.jp/topics/?t=000053
細かなことが気になる親父の備忘録「郵便局の「お線香セット」を「定形外現金書留」で送れることを若い局員は知らなかった。」
https://dorapapa96.hatenablog.com/entry/2020/08/26/121734
ポストに投函できるご進物用お線香「香伝」
https://www.nipponkodo.co.jp/inori/kohden-post/
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「クール・ビズ」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%93%E3%82%BA
いいね立川「立川駅からもっとも近い!けど平日昼間しか開いてない柴崎中央公園」
https://iine-tachikawa.net/park/15508/2/
葬祭ディレクター 実技試験の注意事項
https://www.sousai-director.jp/jitsugi.html
アーバンライフメトロ「東京の「お盆」は7月って本当? なぜ1か月早いのか、専門家に聞いてみた」
https://urbanlife.tokyo/post/629/
*1:日本の慣用句の1つ。意味は、自らに不利になる状況を避けて別の場所に移ること。語源には、犬のケンカで負けたほうが尻尾を巻いて逃げる様子から来ていると言われている。
*2:葬祭業界用語の1つで、遺体を霊柩車などで、病院または警察署などから自宅か斎場へ運ぶこと。
*3:ザックリ言うと「金を取られる救急車」。民間の搬送事業の1つで、入院中の病院からほかの医療機関への転院などの緊急性がない場合の搬送を行っている。業者にもよるが、初乗り(7.5km)・3,700円からと料金を請求するというビジネスだった。しかし2020年以降、新型コロナの感染拡大で救急車を手配できない感染者が急増したために、地域や業者にもよるが、「無料」または「運賃に、感染防護対策代と車内消毒代などを加算した料金(※業者にもよるが、約4万3千円から。)」で病院へ搬送する民間救急車も出てきているという。
*4:放射線を使って、がんと腫瘍(※体の表面や体の中に出来ている、かたまりや色が違っている部分がある物の総称。)の治療や、MRIなどという放射線を使った検査機器を扱う専門家のこと。ちなみに放射線腫瘍医は世界中に100人くらいいるそうだが、特に日本では数えられるほどしかいないと言われていて、2018年当時の情報では日本中に36人しかいないと言われていた。現在も、日本の放射線腫瘍医の数はあまり増えていないと言われている。
*5:がん細胞へ高エネルギーの放射線を照射して、がん細胞に傷をつける治療法のこと。手術や抗がん剤治療と並んで、がんの三大治療法の1つ。ちなみに、前立腺がん・頭頸部がん・脳腫塲(脳のがん)に対して放射線治療を行う場合は、2008年から保険適用になっているが、それ以外のがんに対して放射線治療を行う場合は自由診療(※国民健康保険や後期高齢者医療制度が適用されない診療のこと。)扱いになるという。
*7:故人が亡くなった後、初めて迎えるお盆のこと。東京都・神奈川県・静岡県では7月に行われるという。地域によって、「にいぼん」・「ういぼん」・「あらぼん」・「しんぼん」と読み方が異なっているそうだが、ここでは東京都で使われることが多いという「はつぼん」という読み方で行こうと思う・・・。
*8:大きい郵便局と線香を扱っているスーパー・一部オンラインショップでは、郵送可能な包装を施したご進物用の線香が置いてあることがある。
*9:昭和時代中期から後期に青春を過ごした日本人の多くが使っていた俗語の1つで、「快晴」のこと。一説には、日本の映画業界が撮影時に使っていた言葉である、“快晴の日はカメラのピント合わせが多少曖昧でも完全に合う”という言葉を縮めた“ピントが完全”を更に略したものではないかと言われているが、現在もハッキリしたことは分からない・・・。決して「ピーカンナッツ」の事ではない。
*10:1990年代以降、日本には医療機関で処方されている貼り薬・塗り薬・飲み薬の情報を載せた本や薬の情報を検索する専門サイトが数多く出てきている。その理由は、かかりつけ医がいつも処方している薬の効果と安全性の面に不安を抱く人や本当にその処方された薬は本当に自分にとって良いものなのか気にしている人や医師が増えているからだという。
*11:1949年6月から2008年7月まで、大阪府の道頓堀にあった飲食店ビルの名前。建物の老朽化や周辺環境の変化などを理由に2008年7月8日をもって閉店・廃業。元「くいだおれ」の宣伝人形の1つで、現在は大阪府大阪市のマスコットキャラクターの「くいだおれ太郎」のマネジメントを行う企業になっているという。
*12:2005年から2020年まで、環境庁と日本の様々な業種の企業の呼びかけで行われていた「夏場の軽装による冷房節約」キャンペーンの愛称。2005年の「ユーキャン新語・流行語大賞」のトップテンに選定されたことがある。地球環境負荷に配慮して、春から夏に使うエアコンの温度28度以上の室温にして、その室温に対応できる軽装の服装を着用するようにというものだった。この「クールビズ」は2020年で終わったが、「夏場の軽装による冷房節約」キャンペーン自体は、現在も日本の様々な業種の企業で意識的に行われているという。
*13:「おがら」と読む。仏教の宗派にもよるが、お盆での「迎え火」と「送り火」で使われる物。ちなみに名前の中に「芋(いも)」という漢字が入っているが、近年スーパーや生花店などに流通している芋殻の原料の多くは、麻の茎を乾燥させたものだという。そのため、メーカーによっては「麻がら」と言う名前で売っていることもある。
*14:生まれも育ちも東京23区と一部関東圏の人のお盆は、毎年7月15日だという。
*15:葬祭業界用語の1つ。エンバーミング(※日本では「遺体衛生保全」とも呼ぶ。)の略称。
*16:1994年から現在にかけて、日本で製造・販売されている栄養食品の一種。大抵のコンビニや薬局に置いてある。例えば「エネルギー(またはエナジー)」と表記されている物の場合、個人差もあるが、1パックを飲むと約2時間空腹を感じないくらいのカロリーと栄養素をとることが出来るという。メーカーや商品によって、含まれている栄養素が異なっている。
*17:東京都立川市に現在もある、柴咲中央公園のこと。かつて、泥酔者の乱痴気さわぎが昼夜問わず起こったために、近隣住民を守るために、1995年に立川市が公園の周囲を金アミで取り囲んで、平日の9時から16時までしか利用できない状態にしている。決められた時間が終わると、市の職員が出入口にカギを掛ける。
*18:2001年から2019年11月19日まで、ビッグカメラ立川店が入っているビルの中にあった手芸用品専門店。2019年11月22日に立川高島屋の中に移転している。
*19:正しくは「スワロフスキークリスタル」。オーストリアの世界的なクリスタルガラスブランドのこと。クリスタルガラス製のアクセサリーの製造・販売、ハンドメイドアクセサリーパーツとラインストーンの製造・輸出をしていた。特にこのブランドのラインストーンは、2000年代以降、世界中でネイルからスマホ、文房具、自動車のエンブレムまでと、あらゆるものにデコられまくった。しかし、スワロフスキーがビジネス戦略を合理化する都合で、2021年2月をもってハンドメイド向けとネイル業界向けに提供する事業とシャンデリアパーツ事業から撤退した。
*20:葬祭業界や遺体搬送業者の中で使われる隠語の1つ。意味は「お亡くなりの一報が入りました」。
*21:「まくはり」と読む。決して千葉県の地名のことではない。葬祭業界用語の1つであり、葬祭ディレクターの実技試験の課題のことである。これは、試験会場にある「焼香机」という折り畳み机に、試験会場で用意した白色の布と画びょうと、持参したハサミとメジャーを使って、指定された机の前面につける装飾と机の側面・背面に指定された布の張り方を実演するというものだが、審査では指定した通りに布を切って、指定されたとおりにヒダの数と間隔が出来ているのかを観られているという。ちなみに受験する等級によって、用意されている布の長さと幅や作る装飾の種類が異なっている。
*22:葬祭ディレクターの実技試験(作業試験)の1つ。受験する等級を問わず、2分で喪主への自己紹介と葬祭業者としての“おもてなし感”を出来ているかを審査する。指定された葬儀のシチュエーションで喪主と最初に相対する場面を実演するというもの。実際の試験では、課題の達成度だけではなく、葬儀の接遇にふさわしい服装と身だしなみをしているか、受験者の試験中のあらゆる所作・言動・態度も審査している。
*23:葬祭ディレクターの実技試験(作業試験)の1つ。指定された葬儀のシチュエーションと決められた分数で葬儀中の司会が出来ているかを審査する。なお「司会」は、受験する等級によって設けられている分数が異なっていて、1級は6分。2級は4分。しかし実際の試験では、課題の達成度だけではなく、葬儀の司会をするにふさわしい服装と身だしなみをしているかと、受験者の試験中のあらゆる所作・言動・態度も審査している。
*24:1級葬祭ディレクター試験だけは、葬祭業務実務経験が5年以上の人であれば、2級を取得していなくても受験可能という決まりがある。
*25:「山へ行く」とは、葬祭業界で使われる隠語の1つ。意味は「火葬場へ出かけている」。かつて火葬場は、山の中にあることが多かったからというのが語源だという。ちなみに、近年の多くの都市部の火葬場は、地形的な事情で谷の中にあることが多いが、一部の市町村では「火葬場だけは山の中」ということもあるらしい。
*26:ここでは、主に、葬儀の受付にあるに記帳した人(または出席した人)に渡される物(※ハンカチや茶葉であることが多く、亡くなった人が信じていた宗教によっては“お清めアイテムとしての塩”も同梱されていることがある。)のこと。なお、すべての葬儀に必ず引き出物があるわけではない。